公益財団法人 中近東文化センター付属博物館

体験コーナーもある小さな博物館で、中近東の文化と歴史を堪能。

公益財団法人 中近東文化センター付属博物館

中近東文化センターは、ICUにほど近く、ルーテル大学や神学大学のある閑静な住宅街にひっそりと佇む。古代オリエントの研究者だった故・三笠宮崇仁親王が、出光興産の創業者・出光佐三氏の全面協力のもとに1979年に創設。ここには小さいながら充実した展示物を備えた博物館、図書館があり、現在も発掘調査継続中のアナトリア考古学研究所の活動報告スペースが設けてある。出光美術館との交流も深く、出光コレクションからの展示もある。

最初の展示室。パンを作るかまどや食器類、当時の宴会に用いられた食材リストもある。

最初の展示室。パンを作るかまどや食器類、当時の宴会に用いられた食材リストもある。

今回ご紹介する博物館の展示は、中近東にあまりなじみのない方々や子どもたちも楽しめるように工夫されている。古代オリエントの「食」の展示コーナーには、石臼でパンにする小麦を挽く体験コーナーがある。小麦は市内の農家さんに栽培してもらっているそうだ。今回の入館時(2018年10月)には、本で読んだことしかない「龍涎香」などの香料の匂いを嗅げるコーナーや、中近東の衣装を羽織れる鏡つき特設スペースもあった。

三鷹市内の農家が育てた小麦を石臼で粉にする体験コーナー。

三鷹市内の農家が育てた小麦を石臼で粉にする体験コーナー。

もちろん古代オリエントの美術工芸や交易の歴史、発掘現場が好きな人はそれぞれがツボにはまる展示に出会えるはずである。一例を挙げれば、正倉院御物の遠い親戚であろうガラスの器、交易を司った金貨や銀貨のコレクション、鮮やかなラスター彩の陶器や細密なコプト織などなど。主な展示物はWebページからも画像が見られるが、やはり実物を見てほしい。中近東文化センターHOMEの下の方にあるニュース&トピックスの「今月の一品」の解説が秀逸なので、これを読んで目星をつけてから見に行くのもおすすめだ。

私が最初に訪れたのは大学生のころ。今でもマスコットのルリカ(ブルーの釉薬がかかったエジプト陶器のカバ)や、羊頭(羊の頭をかたどったシリアの石彫)に会いたくなるし、ロビーから見えるお庭も美しく、くつろげる。もっと広く知られてほしい半面、混んでほしくはないのが悩ましいところだ。

現在、博物館も図書館も閲覧は予約制。予約が要らない特別開館日やコンサートなどのイベント情報もニュース&トピックスに掲載される。三鷹市民と武蔵野市民がそれぞれ無料になるスペシャルな日もあるので、予め電話で確認してみよう。

館内には陶磁器、青銅器、ガラス、石像などバラエティ豊かな発掘品が展示されている。

館内には陶磁器、青銅器、ガラス、石像などバラエティ豊かな発掘品が展示されている。


この記事を書いた人
萩谷 美也子 (いて座)サイエンスライター

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